経理への転職は難しい?未経験からでも採用されるためのポイント

経理は多くの企業で必要とされる仕事で、比較的安定した収入やキャリアパスを得ることができる魅力的な仕事です。みなさんは、どのような理由で経理の転職に興味を持つようになりましたか?

  • 安定した収入・キャリアパスを確保したい
  • 能力を活かしたい
  • 専門的に仕事がしたい
  • ビジネスの全体像を理解したい

私の場合、専門的な仕事がしたくて、経理の正社員で未経験転職をしました。もし上の中で一つでも当てはまるものがあれば、経理への転職はとても良い選択だと思います。本記事では、経理への転職に興味を持っている方のために、次のことについて説明します。

  • 経理への未経験転職の難易度
  • 経理の仕事内容
  • 経理への未経験転職に必要なこと
目次

経理への未経験転職は難しい?

経理への未経験転職は難しいと言われる場合と、転職しやすいと言われる場合があります。経理へ転職したいなら、まずはこれをおさえることが重要です。

実際に未経験転職をした私の感覚では、経理への未経験転職は他の職種に比べ、そこまで難しいとは思いません。もちろん、未経験転職の場合、経理に限らず20代を越えてしまうと難易度は一気に上がってしまいます。また、年収やその他の待遇を気にする場合は、比較的求人の多い都市部で転職先を探す必要があるかと思います。

経理への未経験転職は難しいと言われる理由

経理で転職しようと思ったら、基本的に即戦力が求められます。その意味では、経験者に比べて、未経験転職は経験がない分、不利になります。

未経験でも転職しやすいと言われる理由

一方で、経理はどの会社にも必要なポジションのため、求人は安定してあります。また、経理従業員の高齢化を問題視している企業も一定数あり、需要が多く求人がないなんてことはないでしょう。

また、経験で戦えなくても、簿記の資格を持っていれば、それを評価してもらえます。つまり資格を取得することで、未経験者であっても、他の転職者よりも有利に立てる余地があるということです。

そもそも経理ってどんな仕事をしているの?

経理の業務内容は多岐に渡りますが、代表的なものを紹介します(どこまでやるかは会社の規模にもよります)。

経理の代表的な業務
  • 伝票や請求書の発行
  • 出納業務
  • 資産管理業務
  • 決算業務
  • 収支分析資料作成
伝票や請求書の発行

伝票は入金伝票、出金伝票、振替伝票があり、それぞれ入金、出金、科目訂正などの手続きの際に必要になります。経理は伝票を発行するだけでなく、その伝票にもとづいて仕訳という処理を行います。

また、一般的には経理の仕事とされる請求書の発行は、会社によっては直接部門が発行し、経理は請求書と売上数値の照合のみを行うといった会社もあります。

出納業務

得意先からの売上金額の入金確認、取引先への支払い処理などを行う仕事です。毎日、口座のお金の状況を確認して、入金や出金があれば、その都度帳簿に反映させます。

資産管理業務

会社で使っている資産の管理は、減価償却計算などの会計知識が必要になるため、基本的にどの会社でも経理担当者が行います。

減価償却計算は、固定資産の帳簿価額を一定のルールに従って減額する会計処理ですが、資産の担当者は経理の中でも比較的高い簿記の知識が求められます。

決算業務

ある一定期間の会社の利益など、数値を確定させる業務です。決算は、外部の人に報告する決算書類の作成や、社内内部で経営実態を把握し今後の経営判断を行うために不可欠な業務です。

企業規模が大きくなるほど、決算の頻度は多くなります。上場企業は、四半期に1回はいわゆる決算書を作成し外部に公表することが法律で義務づけられています。

これらの他にも、予算策定、税務、監査対応など、経理には非常に幅広い業務があります。

規模が小さい会社は、これらの経理業務を網羅的に行うことができるため、経理業務の一連の流れを早期につかむことができる一方で、大企業に比べて専門性の高い分野に触れる機会が少なくなります。

逆に規模が大きい会社は、担当業務が細分化され業務はより専門的になるため、経理の一定の分野のスペシャリストになることができる一方で、経理の業務一連の流れをつかむのに時間を要します。

経理への転職成功のためにすべきこと

実際に未経験転職した私の経験も踏まえて、経理への未経験転職を成功させるためにやるべきことを解説していきます。

①経理に役立つ資格を取得する

経理の仕事は簿記などの知識が必要になり、他の職種に比べて専門性が高い職種です。逆に言えば、経理に関連する資格を持っていると、それだけで転職に有利になります。なので、未経験者は資格を積極的に取得し、自身のスキルを証明できるようにしておくと良いでしょう。以下、経理の転職や実務で役立つ資格を3つピックアップしました。

資格名概要詳細
日商簿記検定1級から3級までのレベルがあり、経理の基礎から高度な専門知識までを網羅する資格ですキャリア目標に合わせて適切な級を選べます。簿記 | 商工会議所の検定試験 (kentei.ne.jp)
FASS
(Finance Accounting Skill Standard)
より実務レベルのスキルが問われる検定で、出題範囲は、「資産」「決算」「税務」「資金」の4分野です。検定の概要:FASS検定|FASS 経理・財務人材育成事業 公式サイト (cfo.jp)
MOS
(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
Word, Excel, PowerPointなど経理の日常業務で必ず利用するオフィスソフトのスキルを問う資格です。特に経理の実務ではExcelをよく使います。MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト (odyssey-com.co.jp)

基本的に経理未経験者の場合、日商簿記検定3級の勉強は必須だと思ってください。いろんな会社の求人広告を見れば分かると思いますが、日商簿記3級から2級レベルの知識を応募条件としているところが多いです。

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日商簿記3級の勉強方法については、下記で紹介していますので参考にしてください。

②会社が経理担当に求める性格や能力をリサーチする

経理と言えば「真面目な人」という印象を持つ人も多いのではないでしょうか。お金の管理や経営判断のサポートなど、経理業務は会社の存続にも直接かかわるため、基本的には真面目な人が配属されます。

また、経理はコミュニケーション能力が必要なので、そこも重要視されます。

経理で評価される性格や能力
  • 正確性: 経理は細かい数字を扱うため、正確な処理が求められます
  • 責任感:企業全体に影響を及ぼす重要な財務情報を扱うため責任感が求められます。
  • 学習熱心:法改正や会計基準の変更など、経理の知識は常に更新が必要であり新しい知識を積極的に学び続ける姿勢が求められます。
  • コミュニケーション能力:経理はチームで行い、他部門と連携して初めて成り立つ仕事なので、効果的なコミュニケーションや分かりやすい説明などが求められます。

③転職活動の時期を工夫する

経理へ未経験で転職する場合は、転職(転職先への入社日)も重要かと思います。

未経験転職の場合は、入社日と繁忙期が重なってしまうと、採用する企業側に受け入れの余裕がないため、基本的には繁忙期を避ける必要があります。未経験転職の理想的なスケジュールを下記に2パターン示します。

・1月に応募→2~4月選考→5月~6月入社

・7月に応募→8~10月選考→11~12月入社

企業の決算期にもよりますが、日本の企業の多くは4月~翌年3月を決算期としているため、本決算業務が落ち着く5月~6月、または、半期決算が落ち着く11月~12月が入社月となるのが、未経験転職者にとっては理想的です(決算期が異なる場合は、それにともなって理想月も変動します)。

④転職エージェントを利用する

転職エージェントを使う理由は、3つあります。

転職エージェントを使う目的
専門的なアドバイスとサポートを受けるため

転職エージェントは、転職ノウハウなど豊富な知識を持っています。未経験者が経理職に転職するための適切なアプローチや必要な資格、スキルなどについて具体的なアドバイスを受けることができます。

転職活動の効率的に進めるため

転職エージェントを利用することで、求人情報の収集や応募書類の作成、企業との調整などの手間を省くことができます。特に現在の仕事を続けながら転職活動を行う場合、時間と労力を大幅に節約できます。

より良い労働条件での採用を交渉してもらうため

未経験者の場合、給料や勤務条件についての交渉が難しいことが多いです。エージェントは、代わって適切な条件交渉を行ってくれるため、納得のいく条件で転職を実現しやすくなります。

難しい経理転職も対策を万全にすれば怖くない

経理への転職は難しいと感じることもありますが、仕事の専門性が高い分、資格をとったりすることにより知識をアピールできるため、他の職種に比べて事前対策がしやすいです。

また、「経理にたずさわれる職場」は企業の経理部だけではなく、会計・税理士事務所もあることをお伝えしました。より広い選択肢を持って転職活動を進めることも、後悔しない転職のためには必要です。

経理への転職は挑戦と努力が求められますが、自身の成長とキャリアアップのために大きな価値があります。転職がその後の長いキャリアを左右する分岐点になるかもしれません。難しそうだからといって初めからあきらめるのではなく、少しでも転職の意思があるなら、是非、経理への道を進んでみてください。

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経理への転職希望者向けの転職プロセスをまとめた記事がありますので、興味がある方は是非参考にしてみてください。

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